2013年2月22日金曜日

Mathematica(2) ~カオス!?~


行きつけの本屋のサイエンスコーナーのスペースが半減しました(涙)


おはようございます。ダヴィデです。

前回の、Mathematicaの話の続きです。


どうせ全部0になると思いながら、
式(1)式(2)の手法で求めたときの差を求めてみたのですが・・・・




(横軸はn、縦軸はx_n(式(1)式(2)の手法で求めたときの差)



「あれ?」「何だこりゃ?」n=50ぐらいのところまではいい感じ。そこからはメチャクチャ・・・。





先生の解説をまとめます。

この写像は「ロジスティック写像」という「カオス写像」の一つ。

数値計算では無限桁を扱えないため、少数第何位か(20位?50位?100位?)では、誤差が出てきてしまいます。
式(1)では誤差を含んだ値を代入し、また代入し・・・という作業を繰り返しているため、誤差は次第に大きくなっていきます。(指数関数的に増える。)
一方、式(2)はストレートに求めているため、誤差はない(厳密解)


(3)では、n=1の誤差は少数第17乗のオーダー。そこから次第に誤差は成長し、n=50付近で、少数第3位、第2位のオーダーになってしまいます。そして、n=55ぐらいからはマイナス1乗のオーダーの誤差になる。そもそも解が01の値域しか持たないのだから、n=55以降の式(1)の方の値は近似的にも成り立たない、全く意味のないもの。



つまり、
 初期条件(この場合、x_0)と運動方程式がわかっていても、将来(x_n)を予測できない!!
 これはニュートン力学的にはあってはならぬ話です。

(1)で「収束しない」と言ったのですが、解はあるので、「ランダム」というわけではなくて、規則性はあります。

また、x_0の値がほんの少し(例えば0.10.1000001)違うだけでも、将来は全く違うものとなります。これは(2)の式を考えればわかるのですが、nが大きくなれば、2^nはメチャクチャ大きくなります。初項の差が小さくても、sin関数の周期が2πであることを考えれば、明らかにx_nは全く違うものになります。

これを初期値鋭敏性、あるいはバタフライ効果と呼ぶらしいです。この赤字の性質は「カオス」の持つ性質です。
(※一般項が求まる場合、つまりランダムではない場合でも今回のようにカオスと呼ぶ。)



 この「ロジスティック写像」は生物の世代交代を表したりするのに用います。個体数が少ない時はほぼ繁殖率(式(1)の4の部分)に比例し、あまり繁殖しすぎると、住処やエサがなくなって次の世代は減る。

 係数(式(1)の4)を変えた場合の「カオスの窓」等の話は領分を超えているので、控えます(笑)。



感想

1・・・・・・Mathematicaはうまく使わないといけない!
2・・・・・・カオス≠混沌

1は言わずもがな。スパコン等も結局使うのは人間ですから。
2:混沌は「天地が開かれる前の状態」ですからね~。規則がある時点で混沌ではないですよね。概念的なものを訳すのは難しい?

3・・・・・・アウトプットするって大切ですね。

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